小児皮膚科Child
主な疾患と症状
アトピー性皮膚炎
様々な因子によって体が過剰に反応し、皮膚にアレルギー症状を起こす疾患です。特定の部位にかゆみを伴う湿疹が持続的に出ている場合はアトピー性皮膚炎が疑われます。
気管支喘息、アレルギー性鼻炎と並んで、三大アレルギー疾患の一つとされています。
アトピー性皮膚炎のお子さんは、皮膚が乾燥しやすい体質の方が多く、乾燥は冬場だけの問題と思われがちですが、夏場も乾燥が続く場合があります。季節を問わず、保湿剤を使ってこまめなスキンケアを心掛けましょう。
また、夏場などは汗が付着したり、温度の上昇で痒みが強くなりますので、皮膚を清潔に保つことや、お風呂の温度設定なども大事になることもあります。
湿疹が出た場合は、外用薬(塗り薬)により症状をコントロールすることが必要です。
お子さんのアトピー性皮膚炎の治療では、ステロイドの塗り薬に抵抗を感じる親御さんもいらっしゃると思います。
しかし、当クリニックでは症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使用し、症状が軽くなったら薬の使用を減らしたり、効き目の弱いものに変えたり、他の薬剤で湿疹をコントロールするなどの対応をとっていますのでご安心ください。
また、診察時には「何日間塗らなければならないか」「次はいつ受診する必要があるか」など、治療計画をきちんとご説明いたします。ご不明な点、ご不安な点がありましたら、遠慮なくご質問ください。
とびひ
あせもや虫刺されを掻き壊した傷、湿疹、擦り傷などに細菌が感染して発症する皮膚の感染症です。触るとうつり、火事の飛び火のように広がるために「とびひ」と呼ばれますが、医学的には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言います。
細菌の感染力はそれほど強くありませんが、傷やアトピー性皮膚炎などで抵抗力が落ちていると感染する事が多いです。
治療は、患部に軟膏(抗菌薬)塗り、水疱があれば潰さずに清潔なガーゼで覆い、病変部を清潔にして菌を減らすことが大切です。また場合により抗菌薬の内服や抗アレルギー剤の内服が必要な場合もあります。
いぼ
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV:ヒトパピローマウイルス)による感染症で、医学的には「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と言います。小さな傷などから感染するため、特に手のひらや足の裏、指先などに発症することが多いです。
特に、小さなお子さんの場合は「ミルメシア」といって、体重をかけると痛みを感じる、魚の目のような赤みを帯びたいぼができることがあります。アトピー性皮膚炎のお子さんの場合は肘や脇の下のへこんだ所などに出ることもあります。
いぼの治療は、基本的に液体窒素による凍結療法を行います。マイナス196℃の液体窒素により細胞を凍らせるのですが、数日痛みが続く場合があります。
1回で治ることはほとんどなく、1〜2週間ごとに繰り返し治療する必要があるため、お子さんが痛みに耐えられない場合は他の治療法をご提案します。
水いぼ
いぼの一種ですが、いぼとは違うウイルス感染によって発症します。
主な感染ルートは、水いぼに感染したお子さんとプールやお風呂などで直接接触したり、タオル、スポンジ、ビート板などを介したりといったものです。症状としては、直径数mmほどで表面がツルツルした盛り上がりが皮膚表面に現れます。
ウイルスに対する免疫を獲得すれば自然に消えますが、これには数ヶ月から数年かかることもあり、その間に水いぼを掻き壊して感染を広げていくこともあります。水いぼは伝染力が強いため、数が少ないうちに除去する場合もございます。
近年、ペンレスという麻酔テープが保険適用になり、水いぼ摘除時の痛みをかなり軽減できるようになりました。
また、当院では、銀が持つ強力な抗菌作用を利用した治療にも対応しています。ほとんどの細菌や真菌、ウイルスの一部に効果があり、痛みもほとんど感じません。
お気軽にご相談ください。
おむつかぶれ
おむつが当たる部分にブツブツと赤い湿疹やただれができる皮膚疾患で、赤ちゃんによくみられます。 おむつの中は、汗や尿で湿度が高く、温かいために皮膚が刺激に弱くなっています。おむつを替える時はお尻を拭いて清潔にした後、よく乾くまで待ちましょう。
また、赤ちゃんの肌は刺激に弱く、傷つきやすい状態なので、洗いすぎにも注意しなくてはなりません。 石鹸をつけて洗うのは1日1回にとどめて、泡をきれいに洗い流しましょう。下痢など柔らかい便の時や、便の回数が多い、時は市販のお尻拭きにオリーブオイルを加えるなどして、なるべく刺激を与えずに優しく拭き取るようにしてください。 おむつの当たる部分がかぶれたり、ただれたりしている時は、ぜひご相談ください。